紳士服の裁断から生まれたイデムのパラテュス

私は、実家の家業がテーラーでしたので、紳士服と婦人服の違いが身に染みてわかっているつもりです。
優れたテーラーによる紳士服は男性の身体を本当に美しく見せますが、そのテーラーが女性の寸法に合わせても何か足りない。
なぜだかテーラーで作る婦人服はとても仕立てが良いのに今ひとつ。子供の頃からいつもそう感じていました。
反対に、紳士服は婦人の仕立てで作ると、柔らかすぎて頼りない感じに仕上がってしまい、男性の魅力が半減するように感じるのです。
ですので、イデムでは通常、紳士服に関してはテーラーの技術に任せた紳士仕立てのスーツを作っています。
ところが、その ニュアンスをデザインと捉える場合 や、紳士服テーラーには存在しないデザインや、アイテムを作るとなると、
私の出番になります。

今回も弟がきっかけです。(昨年は結婚式の衣装でした)洋服もそうですが、 特に靴は、採寸、仮縫いといった
通常の業務でしゃがむ姿勢が多く、スーツ姿の場合、スラックスに負担が大きくかかります。
当然弟もスーツを作る時はスラックスを2本にしてつくっていますが、
デザイン的に、細身のスラックスはしゃがみながら長時間過ごすようには作られていません。
そこで、以前から興味のあった乗馬パンツを本格的に作ってみようと思いました。
元々紳士服に関しては一応の勉強をしましたので、当時の本をもう一度出してきました。ちょっと古い本です。
貝島正高さんという方の書いた裁断の本。父の先生であったようです。
裁断の要点とパターンがたくさん載っている中に、作業ズボンとか、乗馬ズボンとか、今ではあまり見られなくなったデザインも載っています。
別の方が書いた本をもう一冊持っていますが、デザインのバリエーションは、ほぼ同じ。
ということはこれらのデザインは当時(1960年頃)の標準的なデザインだったのではないでしょうか。
紳士服のパターンは平面から作られているので、早速トワルを作成することに。
しかし、そのままだとデザイン的に美しくなく、その上、身体の動きについてこない予感。立体をイメージして修正を加えて1回目のトワルが完成。
フィッティングすると大直し。もっとパターンを曲げて、ライン取りを変えて作り直し。2回目のフィッティングは、まあまあ。
本に載っていたパターンからはちょっと外れてしまった分イデムらしさが出てきた感じ。
まずは1本仕立て上げて、履いて動いての修正が必要になりました。出来上がったパンツはPARATUSと名付けました。
ラテン語で『準備が整っている、覚悟が出来ている』というような意味です。
さて、出来上がったパラテュス。一日中履いて、採寸したりして、動きには問題なさそう。問題はシルエットの美しさ。
立ち上がったときに膝から下があまり美しくなく弛む。
これは駄目でしょ。ということで、また修正。
1本目で完成するとは思っていなかったし、素材の違いでどうなるかも見たいし、2本目は素材を変えて作る事になりました。ただいま縫製中。
紳士服の裁断から生まれたイデムのパラテュス。乞うご期待。レディースバージョンも作ります。

いつも同じようで同じではない:イデム

「ミセス」のオーダー特集にイデムが載ります。
10年ほど前に特集してもらった時は鷲尾いさ子さんのオーダーの様子を中心に載せていただきましたが、今回は洋服以外にも、ニットや、
ギルドの靴までトータルでお店を紹介していただいています。どうぞご覧ください。

オーダーメイドは単なるお買い物とは違って、目の前に無い物に期待してご注文いただくわけですから、
少しでもイメージしやすいようにサンプルを見ながら、お好みを伺います。
でも、注文する方のお考えがすべてまとまっていることは意外に少ないものです。
そこで、作る側の提案が重要な役目を果たします。
店内に用意しているたくさんの生地サンプルを暇さえあればめくり、質感や色を頭に入れて、デザインとの組み合わせ、
さらには顧客の皆様を想像して、ご来店の際におすすめできるように準備するのは店にいる時の大事な仕事。
(大好きな時間でもありますが)

また、そんな中から生まれるデザインを形にするのはアトリエでの仕事。どちらも重要ですが、
婦人服はデザインが自由な分、常に新しいことに挑戦することになるので、サンプルを作るまでにもたくさんの研究が必要で、
アトリエでの仕事に比重が多くなりがちです。
シルエットを作るのは、本来パターン作成で完成するのですが、刺繍などの装飾的な要素がシルエットにも関わるようなデザインの場合は、パターンと刺繍の試作を交互に繰り返し、最終的なシルエットが決まります。

こういうデザインを作り始めると、パリのオートクチュールのアトリエというのはこんな風なことをずっと続けて
今を築いているのだろうと想像を巡らせ、つかのまの夢を見ています。
イデムはオートクチュールではありませんが、常に変化するクチュールです。
いつも同じようで同じではないイデム。
10年前のイデムより今のイデムの方が良いと言っていただけますように。

フリルに包まれて

大人になって甘すぎるからと何となく遠慮しがちなフリル。
そのフリルをシャープに着こなせたら逆に素敵かな、と。

イデムのデザインにもいくつかフリルのデザインがあります。

ひと口にフリルと言ってもいろいろな形がありますが、螺旋を描くパターンで作ったフリルはとてもロマンチック。
フリルの巾が小さくなるにつれて、円を描きながら中心へ向かうパターン。
以前からあるデザインでVentusというベストトップの衿がそのフリルです。

このところのマイブームで、着物の生地を使った洋服を作っていますが、Ventusも着物生地向き。
デザインはとても立体的でモダンな印象ですが、だからこそ、和の生地で。
きっと素敵に生まれ変わるに違いないと思い、麻の単衣の着物を使うことにしました。
洋服の生地で作る時は衿を白にしたり、サテンにしたりとフォーマルなイメージでつくっていましたが、
今回は紺地にうす青の絣を活かして全部同じ生地で作ります。
たぶん手織り。つやつやと張りのある生地なので、フリル部分には全体ではなく一部に特殊な芯を据えて見ようという新しい試み。
透けるような麻なので、裏地の選択も重要です。ネイビーにします。裏打ちをするなら水色にしても良いかもしれません。

フリルにはもう一つ、ギャザーを寄せてフリルにする方法もあります。
これはとてもシンプルなパターンですが、ボリュームのコントロールがしやすく、いくつものデザインに使用しています。
Icelos、Origo、Viola、Positorなど。
新作のPositorはコンビネゾン・スタイルで前ファスナー。袖の代わりに小さなフリル袖がついています。
サンプルはこれも着物生地で・・・マイブームですから。

どのフリルも40歳を過ぎてこそ着たいデザインに仕上げたつもりです。
そう言えば、この2月にパリへ行ったとき、
ケータリング会社のディレクトリスが赤い革のジャケットに、たっぷりフリルのついた袖口の真っ白なシャツを合わせていました。

至福のとき

洋服を仕事として作るようになってもう15年以上が過ぎましたが、
仕事にする前、服飾学校に通う生徒だった頃に想像していた服作りと、今は少し違っているようです。
若かった頃、服作りはすべて自分が着ることから始まっていました。
今ももちろん自分で着るものはすべて作っていますが、それがすべてのデザインの始まりではありません。
自分で着たいものを考えるよりも、興味のあることや物を形にしたいと思う欲求の方が強く私を支配しています。
そして、私に与えられた表現の場が「服作り」であったということ。それだけ。
興味は身勝手に私を翻弄するので、年を重ねるごとに本や、材料となる物、器具などは増えるばかり。
何を手にとっても、自然と服のことを考えてしまいます。女性のしなやかな体つき、動くたびに揺れるスカート、
軽さと重たさと、柔らかさと張りの良さ。たくさんの事が頭の中に広がって最後に洋服の中にストンと収まる。
至福のとき。
そして、そこからはパターンメーカーとしての仕事。
表面的なデザインを実質的なパターンに。芯材や裏地、縫い代の処理をどうするか。
新しいデザインの一つ一つに最適な方法を考える。
少しずつ積み重ねた経験が役に立って、昔よりずっと効率的に作業できるようになりました。
経験は教わることが出来ないから、どんなに小さなこと一つでも真剣に取り組むしかありませんが、
そこにはいつも自分なりの新たな発見があるのです。
自分で感じ、考えることを臆病にならずに挑戦していく。
その力を与えてくれる人たちに囲まれて、今日も洋服を作らせてもらっています。

和の気分

昨年の夏から始めたばかりのお習字のお稽古。墨の匂いや半紙の手触り、繊細な筆先、お道具のすべてが懐かしく、
心がすっと晴れていくような心地よさは日本人だからでしょうか?最近、着物にも目がいくようになり、なんだか和の気分。

先日、実家の和箪笥をのぞきに行ってきました。私や母の着物はほんの数枚で、ほとんどは祖母の残していった物ばかり。
子供の頃の記憶を辿りながら、祖母の姿を思い浮かべ、着物を触っていると、
「これは透けるように風が通って涼しそう」とか、「合わせの着物は生地の目付があって暖かそう」など、
「着物」という一つの完成された形の中に息づく季節の移り変わりを感じます。
エアコンの無い時代は、身につける一つ一つの物を選び組み合わせることによって優雅に寒暖の調節をしていたのですね。
毎日の生活そのものがもっと鮮やかで生き生きとしているようです。
それに比べると、最近の洋服のご注文傾向は「一年を通して着れる生地で」というご要望が多いのです。
忙しい日々の中で便利ですし、エアコンが常に効いているからかもしれませんが、一年中同じでは季節感はなくなってしまいますね。
ちょっともったいない気がします。
そんなことを考えながらあれこれ広げて見ていると、あっという間に時間が過ぎていました。
その中からいくつか洋服に仕立ててみようと思えるものを持ち帰り、ただいま製作中です。

着物の生地を洋服にするときは、生地選びがとても重要になります。すべての着物が洋服に向くわけではありません。(と思います。)
着物の生地に洋服のパターンを当てはめただけのものではちっとも素敵ではないのです。
デザインが活きる生地であり、生地が活きるデザインでなければいけません。
2月のパリ展のために製作したジャケットはそれを目指して作った最初の作品です。
まだパリから戻っていませんが、もう少ししたら帰ってきて、また店に飾ることが出来ます。
今日は写真だけご覧ください。
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そして今、作っているのは黒羽織りからジャケットを…さてどんな仕上がりになるのでしょう?
黒をほとんど着ない私ですが、このジャケットなら着てみたいと思わせてくれました。
お楽しみに。

今年はフード付き…

一足飛びに冬がやってきて、コートやマント、ケープがぴったりの季節になりました。
今年はフード付きマント。カシミアで接ぎなしの1枚仕立て。
パターンに手間取って何度も仮縫いのやり直し。
ところが、弟店長からは「構築的でないからイデムらしくない」の一言。
がっくりしましたが、いつもの通り、やっぱり作りたいので製作することに決定。
最終の仮縫いをパターンへ写していると、
パターンを見た弟が、「へ〜え。こんな形してたの?」納得した様子。
生地を巻き付けているだけのように見えたマントが実は意外なパターン。
そのためにいろいろと工夫していたのですから。
お客様にも弟にも見えないところでコツコツ作っています。
このマント。フードがたっぷりしていて、赤い生地でつくったら赤ずきん。
分厚いカシミアで深い深いワイン色。ミルキーなベージュ。プラチナのようなグレー。
どれも素敵だと思います。
それにBellioにも対応できそうなのでご期待ください。

秋の良き日、寿ぎの集い。

結婚式の日取りが決まると、忙しくなるのは新婦とお母様。
毎週のように式場へ足を運び、あれこれと準備に余念がない。
一生に一度のことだもの、初めてのことだもの、すてきな式になりますように!
親戚一同も、留袖の準備しなくちゃ、貸衣装、着付けの予約。などなど、やはり女性の出番。
弟の結婚式にいろいろ準備されていくのを見ていると、こういうものかと改めて納得。
私にはこんなこと出来ないなと思いつつ、近くで眺めていました。
ウエディングドレス、お色直し、ブーケは、髪飾りは。。。ふと気がつくと「あなたは何を着るの?」
新郎は貸衣装の紋付以外、何も準備してないことに気づく。「普通のスーツ?かな?」
洋服屋に生まれ、自分では作らないものの、
お客様の洋服のご相談を受けて提案する側にいるはずの弟がこの始末。
そこで私の出番がやってきました。
新郎にウエディングドレスに合わせたデザインで素敵な結婚衣装を考えなくては。
普通のスーツではイデムらしくない。弟らしくもない。
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ジャケット用に選んだ生地はネイビーのシルク。ねっとりと艶やかな光沢が美しい。
もともとネクタイ用のイタリアの生地でしたが、あまり綺麗だったので、
ネクタイの注文と一緒に反物を買っておいたものです。
女性用のジャケットは何着か作りましたが、男性のジャケットは初めて。
そして、ジャケットに合わせるストライプのスラックスもネイビー。(弟はブルー好き)
DormeuilのCelebrationから選び、今回の式ではスラックスのみ使用しますが、
普通のスーツとして着れるようにスーツに仕立てておくことにしました。
結婚衣装とはいえ、後からも活用できる部分を残しておく方が良いかと。

肝心のデザインは、イデムの女性用ジャケットの中からJusta-Gを選び、P1010765.JPG衿の形をテーラードに変更。
ウエストをしっかり絞って、ロングジャケットにメリハリをつけて。
ボタンは包みボタンでシンプルに。衿の見返し部分に飾り刺繍を施しました。
ちょっとやり過ぎかと思いましたが、でき上がってみると落ち着いて見えます。

男性を美しくするのが、こんなに楽しいとは思いませんでした。
胸からウエストにかけてのシェイプをどう扱うか、芯使いにも新しい工夫を加え、
研究しながらの作業はとてもとても楽しかった!
普通の男性のスーツに比べて、結婚衣装はイデムらしさを出せるアイテムかもしれない。
注文があるといいな。

きっかけ

イデムの洋服を注文するきっかけとして、子供の受験や入学と仰る方は意外と多く、自分らしく装いたいと希望されます。
一般にお受験用のスーツとして売られている物ではなくイデムを選んだ理由は
「オーダーしてみたかったけれど今まで機会がなく、今回が良いきっかけになった。」と。
自分らしくという部分を残しながらも控えめなスーツはイデムの得意とするところ。
このきっかけが長いおつき合いの始まりになることも少なくありません。

オーダーは前もって注文しないと出来上がりまで時間がかかります。
すぐには手に入らないのは当然ですが、今すぐ買える物に慣れているとそれも億劫に感じる方もいらっしゃいます。
しかし、イデムを選んだ方は、とても計画性があり、必要な物や事を落ち着いて準備できる方なのですね。

初めてご来店で決めかねているお客さまに「どの様な時、どの様な立場で、どの様に装いたいですか?」とお尋ねする事があります。
お客さま自身の中で整理がつかないないままオーダーすると愛用品にならないことがあるのです。
それは悲しいことですし、非エコですよね。
そういう場合は、「一度帰って、ご自分の箪笥の中をよく見て、何が足りないのかお考えになるといいですよ。」とお話します。
こういう店内でのやり取りがイデムとのきっかけになる方もいます。
足りない物や欲しいものがわかっていれば、少しずつ作り足しながら次第に充実したワードローブとなり、
何か事が決まってから慌てて用意する必要も無くなるでしょう。
完成する頃には、オーダーの達人になっているはずですから、うんと楽しんでください。
そうなれば心の向くまま、気持ちの変化に合わせて直感的に買い物をしても(オーダーしても)間違いがなくなると思います。

夏真っ盛り。

朝起きて第一声が「暑い!」P1010257.JPG

そんな8月ですが、もう秋の準備ですよ。

今からのご注文で、残暑に間に合わせたいという方もいらっしゃいますが、(特急でお作りしています!!)

コラムを読んだ皆様にはぜひ秋冬物を考えていただきたいと思います。

今年の秋の始まりはイデムのオーダーニットの受注会からです。8月後半(日程は後ほどHPにて)を予定しています。

カシミアの16ゲージ、カシミア&シルクの14ゲージの2種類をご用意しました。

シンプルで、ちょっと私好みにシェイプしたニット。そんなニットが欲しかったのです。

今シーズンはまず、薄手のものから、シーズンを重ねるごとにバージョンアップしていきたいと思っています。

レディースもメンズもご用意しましたので、お誘い合わせの上ご来店ください。

ただいまサンプルの製作中ですので、まだ写真をアップできませんが、
できるだけ早くお見せできるようにいたします。

また、同じ時期に、ドミュールやロロ・ピアーナからも新しい生地が続々登場します。
どうぞお楽しみに。
そして、まだまだ夏。麻素材が大活躍。先日ご納品したワンピースが
ことのほか美しかったので写真を添えます。
シャツ用のアイリッシュリネンを2枚重ねて、裏地を使わないで仕立てました。
今頃、大活躍しているのではないでしょうか。

生地の扱いは自自在

真夏のサマードレス。新しいデザインを見ていただけたでしょうか?
今週のウインドウは私用に作ったストライプのワンピースを飾っています。
しばらく飾ってから着用の予定です。ロロピアーナのトリロジー。
この生地はお客さまにも好評で、もう出来上がって納めた物もあります。
最近、3シーズン着用可能な生地で、というご注文が多い気がしますが、
夏には夏らしい生地で、この季節を存分に楽しみたいものです。

先日お客様からの提案で、裏地の代わりに表も裏もシャツ生地で作ってはどうだろうという話になりました。
肌触りもよく、お洗濯もご自宅で出来そう。とのこと。
以前から、夏になるとシャツ生地で、スーツを作ったりしていますが、ワンピースや、スカートなど、
芯使いを必要としないアイテム(特殊なデザインで芯を使う物もありますが)は
シャツ生地の2枚重ねに向いていると思います。
そう言えば、シャツ生地だけでなく、ウールの生地でもスカートの2枚重ねにつくったり、
冬物のショートコートの裏地の代わりに同じ生地の柄違いを付けたりしてます。こちらも好評でした。

またそれとは逆に、シャツワンピースやチュニックの様なカジュアルなアイテムを
ジャケットやスーツ用の生地で作ることもあります。
きちんとしたイメージを残しつつ、1枚で軽やかに。
蒸し暑い季節ですが、服作りは楽しい!

twitterを始めました。良かったらそちらもご覧下さい。@idemidemidem

夏を意識

P1000950.jpg梅雨が近づいてくると、その先の夏を意識してオーダーするのにちょうど良い頃です。
夏の素材といえば麻やコットンですが、ウールも仲間に入れてあげてください。
細番手に織られたウールは麻やコットンとブレンドされ、夏の日差しにぴったりの生地に仕上がっています。
Loro Pianaの200gという軽さの生地などは特におすすめです。生成りに細めのストライプがさわやかです。
ウールのしなやかさはサマードレスの裾をひらりひらりと美しく動かし、
プリーツから広がるフレアがウエストを細く見せる効果があります。
今年の夏はセミオーダーのベリオ用にワンピースをデザインしました。
プリーツとフレアの組み合わせが少し大人っぽくシャープなornateと、巻きドレスにタックフレンチスリーブが可愛らしいoffigoの2点。
いち早くウインドウに登場するのはornateです。生地はDormeuilのサマーアマデウス。 P1000952.JPG
この素材は真夏よりは初夏にぴったり。真夏を意識するなら、ウールリネンの薄手素材を選んでもいいでしょう。
どうぞ生地選びをお楽しみください。
セミオーダーラインのベリオなら、試着してサイズ調整を決めれば、後は生地を選ぶだけ。仮縫いなしで1ヶ月で出来上がります。
もし、デザイン変更したい箇所があれば、フルオーダーで対応可能です。きめ細かく採寸、仮縫いを行い、お好みにぴったり合わせてお作りします。
今年のバカンスに向けて、準備はいかかですか。

思いつきを形に

銀座店の店内では洋服のパターン製作は難しく、思うようには作業できないので、
午前中はアトリエで作業するのが日課となっています。アトリエとはいえ、自宅の片隅。
パソコンとプロッターとボディがあれば、そこがアトリエになります。
季節の良いこんな日は、すがすがしい朝日が差し込む時間から、
汗ばむような日差しのお昼時まで、作業が続きます。生地や付属品の発注や、職人達との連絡。
ご注文いただいた仮縫いの製作や、仮縫い後のパターン製作などの合間に、
新しいアイディアを形にするドレーピングをしたり、イデムの洋服に関わる全てがここで生まれます。
新しいものを生み出す喜びばかりでなく、難問に突き当たりなかなか前に進めないこともしばしば。
その難問が解決したときは本当に嬉しいものです。洋服を作ることが仕事で本当に良かったと思いながら暮らしています。
ところが、こんなに小さい店でも、洋服のことばかり考えていては成り立たないものです。
洋服に関することならどんなに大変でも苦にならないのですが、
一番疲れるのは、お店の運営に必要な事務などが重なって、思うように仕事がはかどらないとき。
さて、仮縫い後の補正パターンが今日の作業の中心ですが、
その合間に生地を見ながら、糸を見ながら、アイディアが浮かんできます。
今日すぐには作業にかかれませんが、試作品をウインドウに飾る日が近いうちにやって来ることをお約束します。

カラフルなシャツの生地を使って

シャツ用のコットンやアイリッシュリネンの生地がたくさん揃いました。アイリッシュリネンの豊富さにはきっと驚かれると思います。 P1000475.JPG

シャツというとスーツの下に着るインナーの一種というイメージですが、直接素肌に触れるシャツこそ、
オーダーすると手放せなくなるものです。ジャケットほど細かな採寸ではありませんが、
イデムでは25箇所の採寸をさせていただき、衿の大きさ、高さ、釦の見せ方、衿開きの位置など、
シャツというアイテムの中で最大限のデザインで製作いたします。
特にこの春から登場のヒダ胸シャツは、P1000479.JPGもともとメンズの礼装用シャツのデザインですが、
麻でノースリーブのヒダ胸シャツなんて素敵かもしれません。
ブラウス感覚でオーダーシャツを楽しんでみてはいかがでしょうか?

また、チュニックの様にたっぷりと長めに作って、素敵な部屋着にしたり、
もっとロングにしてシャツワンピースなどもいいですね。イデムでは、洋服の生地と同じように、
1着ずつ必要な分だけ生地を取り寄せますので、ノースリーブからシャツワンピースまでリーズナブルにお作りします。

シャツのデザインではありませんが、私は念願のスリップを作り始めています。
素肌に心地よい素材と、洋服を邪魔しないデザインと、ちょうどよいフィット感の全てを叶えるのは難しいもの。
ほんのちょっとのことなのに、なかなか気に入らない。洋服を作るように作れたらいいのに。ということで、作ることにしました。
化学繊維の混じっていないシルクやコットンは生地をバイヤスに使って適度な伸縮性をもたせ、
肩ひもは最初からちょうどよい長さに合わせて作るので、ゴロゴロ背中に当たる調整金具も必要なし。
丈も、巾も、襟ぐりもお好きに生地はスイスやイタリアから極上のオーダーシャツ生地をどれでも。
レースがお好みでしたらそれも上質なものを選んで。
夢が広がってしまうのは私だけでしょうか?セミオーダーのbellioラインでサンプルを製作中です。

シャツ生地から広がるオーダーの世界はまだまだ続きそうです。どうぞお楽しみに。

鏡の前に立つ

毎朝、大きな鏡に全身を映してみると、姿勢の悪い日に気付きます。
もともと姿勢の良い方でも、疲れが溜まっていると自然に前かがみになりがちですから、
気がつけばちょっと直して一日を過ごすことが出来ます。
そのままにしているよりもずっときれいに洋服を着ることが出来ますし、元気になります。本当に。
イデムの服は、その方の自然な姿勢に合う着心地を目指して作りますが、採寸や仮縫いの時に、
P1000153.JPG「少し背丈のバランスが長めですね」とか、胸を張りすぎの方には「力を入れてませんか?」
などとお話しすることがあります。
鏡の前でそういう話をすると、あらためて鏡の中の全身を見直して、横を向いてみたり、
正面から左右の違いを見てみたりすることになります。
そこから、「いつもバックを左肩にばかりかけてます」とか
「普通はこんな姿勢ですけど、もう少し姿勢が良くなったらいい感じですね」
など身体の癖のことをいろいろ教えていただきます。
製作する私にとっては、今日の状態がいつもの姿勢なのか、
無理な姿勢を取っていないかの確認が重要ではありますが、自身の体形や姿勢について、
他人である私とあれこれ話すことで、洋服に着られることなく、
より美しく着ていただくための共同作業がオーダーメイドであるのだと実感していただけたら嬉しいです。
何を着るか、どの組合せにするかも大事ですが、着ればそれだけで終わり。
というのではなく、どう着るかがファッションですし、そのお手伝いをするのがオーダーメイドだと思います。

ハンドメイドのステッチ

洋服に付け加えるアクセントとして、ハンドメイドの刺繍やステッチはオートクチュールだけのものではありません。DSC00820.JPG
イデムでは今までにも、お客様のご要望や、デザインの一部としてハンドステッチや刺繍を使ってきました。
しかし、サンプルとして用意していなかったため、ごく一部の方にしかご紹介していなかったのです。DSC00827.JPG
そこで、イデムで良く使うクロスステッチや、
色を組み合わせたラインステッチなど、大きさや太さ、
ベースの生地が無地の場合、ストライプの場合、ツイードの場合、
などを色々ご覧いただけるようにご用意しました。
お洋服を作る時のアイディアとして活用できればと思っています。
さらに、新しくご注文いただくお洋服だけでなく、
以前にお作りしたお洋服にもステッチを入れられる場合もあります。
ぜひご相談ください。最近着なくなってしまったお洋服も、きっとまたご愛用いただけると思います。
詳しくは後ほどホームページにも説明を載せる予定ですが、どうぞお店までご連絡ください。

セミオーダー「bellio」はじめます!(09年10月start)

現在のイデムのオーダーシステムは、men'sにはセミオーダーとフルオーダーの区別がありますが、
ladies'はすべてフルオーダーにてお受けしています。
ladies'にセミオーダーがあったら、もっとイデムを多くの方に楽しんでいただけるのですが、
立体裁断から1着ずつのパターンメイキングを行なっているのが現状です。
その反面、その方に合わせてきめ細やかにフィットさせるだけでなく、ご希望のデザインに添うように
様々な変更をすることができ、1点ずつできる限りの対応をさせていただいています。
でも、「出来ない理由があるからやらない」と片づけてしまわないで、
「可能にするためにどんな方法があるのか」という方向で考えてみることにしました。
セミオーダーですので、ある程度の制限や限界があるものとお客様にご理解をいただいた上で、
新しい注文の仕方を考えればいいのではないかと・・・

ただいま準備中ですが
デザインサンプルを着ていただいて、予め決められたサイズ調整箇所を増減することによって、
それぞれの方に合わせていく方法です。
フルオーダーと区別して、「イデム・ベリオ」と名前をつけました。
bellio:ベリオは、金色のデイジーという意味のラテン語です。

価格はスーツ約18万円〜(Loro Pianaのタスマニアン使用)
ロロピアーナ、ドーメルなどイデムで取り扱う全ての生地をご利用いただけます。
対応サイズは、B79〜93cm、W58〜74cm、H84〜100cmが目安。

どうぞよろしくお願いいたします!

美しい布に囲まれて

この時期、秋冬物の新着生地を見ながら、
梅雨の先の、盛夏のその先の季節に思いをはせる毎日を過ごしています。
美しい生地たちは、一時は私の手元にありますが、洋服となって誰かの手に渡り
、その方のそばで大事に愛されて欲しい。そう思って洋服を作り続けています。

生地が私の所へ巡ってくるずっと前に遡ってみると、
険しい山の岩場、あるいは一面に広がる草原で暮らす動物たちがいます。
人の手が届かない厳しい自然の中で、子山羊が生まれて初めて刈り取る毛。
立派に成長してもなお極上の柔らかさを持つ咽の部分の毛。などなど・・・
言葉では数行にしかなりませんが、艶やかで洗練された光沢を放ち、
スーツやドレスに仕立て上げられる生地は、地球とちゃんと繋がっています。
本来ならば、高地での厳しい環境に耐える山羊たちの身体を暖めるため、
細く柔らかく生えた毛ですが、私たちを暖めるためにありがたく使わせていただいているのです。
生地を買うというより、山羊たちから借りて、と言った方が本当かもしれません。

美しい布をつくりだしてくれる地球に出来るだけ迷惑をかけないようにしたいから、
たいしたことは出来ないけれど、最後まで大切に使えるものを選ぶようにしています。
気軽く買って、誰かが使ってくれるだろうと安易にリサイクルするのは気が進みません。
ゴミも増やしたくないですし・・・
オーダーして自分の物をあつらえると、上質で素敵なものが手に入るだけでなく、
大切にしたいと自然に思えるような、いつまでも一緒に居たくなる物に巡り合えるような気がします。

initium 開始 加入 元素 基礎

桜を見ると、幼い日、クラス替えで親友と離れ離れにならないことを一心に願いながら、
花びらをつかもうと手を伸ばしていた頃を懐かしく思い出します。
あの頃、「自立なさい、自覚なさい」と先生方に叱っていただいたのに、
その意味や価値に気がつかなかった私も、自身の幼さを振り返る年ごろになりました。

服作りという仕事を通して社会に接し、多くの方と出会うなかで、服に限らず、
身に着けるもの一つ一つを吟味して選び、注文して作るたびに、
自分自身について考える良い機会になっているのではないかと思うようになりました。

注文するためには、まず自分に必要なものを知り、それを作ってくれる人に伝え、お互いに試行錯誤しながら
一緒に作り上げていかなければなりません。
出来上りを想像しながら、目の前にはない物を買うのです。
それには注文する側と作る側の信頼関係が不可欠になります。自分の好みや目的などを的確に説明し、
注文するのは以外と難しいものです。作る側からは、どんな時に使用するのか、どんな風に見せたいのか、
素材を触ってみたり、身体の癖やしぐさの癖など、たくさんの質問をします。
そうやって作ったものは世界でたった一つの物になり、きっと大切に愛用されることでしょう。
使われることによってその人に馴染み、手入れされることによって長く使うことが出来るようになるのです。
使い捨てることを目的に作られるものと違って、たいていの場合、高価ですし、
その上、手間もかかるでしょう。
ただ、言葉で説明できませんが、それを手にする人にしかわからない心地よさが確かに存在します。
そして、不安いっぱいのまま注文したその瞬間から出来上りまでの時間は、お楽しみの時間となります。

新しく社会人になった、またはこれからなろうとする方たちは、
たくさんの経験を積んでいかれることでしょう。
「自分のために注文して作られたものを大切に使ってみる」という経験の中にも
何か感じることがあるのではないでしょうか。
フレッシュマンキャンペーンは今年から始まりましたが、今後もずっと続けていきたいと思っています。
皆さまの周りに
自分のための大切な一着や一足を注文してみようというフレッシュマンはいらっしゃいませんか?
ぜひご紹介下さい。キャンペーンの情報はHPで!

ようやくお目見え

昨年から、トワル組みのサンプル写真を掲載したまま、実物はいつできるのか心配していたのですが、
新春を迎え、やっとお見せできるようになりました。
裏地なしの単衣仕立て。素材の質感をそのままに着ていただけたらと思います。
デザインの分類は、一応ベスト・トップになっていますが、ポンチョというか、ケープというか、
何でしょう?着る方次第でいくつもの顔を見せてくれるような気がします。

さて、私はどんな生地で、何色で作ろうかと考え中。
サンプルの生地はロロ・ピアーナのウールドスキン。艶も触り心地もさすがです。
ドレープがきれいに出るので、DSC03424.JPG多少重みのある生地が向いていると思います。
これから春に向けて、明るい色でふんわりした生地と言えば、カシミア。
ぴったりの素材です。また、もう少し季節が進むにつれて、シルクウールなども。

コーディネートは、ドレスの上に合わせたらフォーマル仕様。
ミニドレスでホルターネックの紐がチラッと見えたりしても素敵では?
ガラッと替えて、タートルネックのニットとパンツの上に合わせてスポーティーに。
こうなるとポンチョのイメージでしょうか。足元はロングブーツかな?
どんな風に着るのかアイディアを持って、素材選びをすると良いかもしれません。

それにしても、出来上りまで時間がかかり過ぎてしまいました。
これからはもっと早くお見せ出来るように励みますので、今年もよろしくお願いいたします。
コラムも頑張ります!

なんだか着る回数が多い服

ハンガーに掛かったイデムの洋服は、頼りなく、皺も目立つし、
あんまり素敵じゃないと思いませんか。私もそう思います。
でも、せっかく素晴らしい素材を使って洋服を仕立てるのに、芯で固めて、
分厚くなったのではもったいない、生地の良さをそのまま纏って欲しいと思うと、
できる限り芯は少なく、生地だけで身体にフィットさせたいではありませんか。
ハンガーに掛かって美しい服よりも、心地よく着られることを優先してみると、
素材はウール。カシミアやシルクもよろしいと思います。
保温性、通気性は当然ですが、極上のウールは真珠のような鈍い艶を放ち、
しなやかに輝きます。スカートが足に纏わりつく感じが心地よく、
紳士服のためにこの生地が作られているなんて信じられないくらいです。
160番手以上の生地は女性向きだと思います。
そんな生地に芯を貼り重ねて、皺一つないジャケットを作るより、
生地以外には毛芯を1枚だけと裏地で作りたいのです。
最近はさらにパットなしのジャケットも多く作っています。
カーディガンのような着心地ですが、ジャケットです。
イデムのジャケットは薄くて柔らかくて、注文した方の身体が入らないと形にならないのですが、
皆さまのワードローブの中で、「なんだか着る回数が多い服」になってくれたら嬉しいものです。

ビスポークな関係

お客様にとって初めての来店は、私にとっても初めての日です。
この方はどんな服を望んでいらっしゃるのかしら?好きな色は?
柔らかいデザイン?それともシャープなデザイン?わからない事だらけです。
お客様の個性や、好みをふまえての提案が出来るようになるには、
洋服を通じてのおつき合いがしばらく続いて後の事です。
それまでは、何かあるごとにお伺いして、だんだんと理解を深めていくのでしょう。
洋服を注文する人と作る人がお互いに信頼しあう関係は、友人とも家族とも違う不思議なもので、
そういう関係をビスポークというのでしょうか。
洋服だけでなく、靴も同じです。1足目より、2足、3足と
おつき合いが進むごとに少しずつ分かりあっていきます。
ビスポークの楽しさと難しさは同じことの裏と表なのですね。
これから出会うお客様とどんなビスポークな関係を築く事が出来るのか、
少し不安でもありますが、楽しみです。

冬こそ明るくて綺麗な色を!

ケープ好きの私は、今までにいくつかのデザインを作っています。
特にcredoはお気に入りで、ショートでもロングでも、張りのある生地もない生地も、
夏も冬も変化に富んだ仕上がりになるので、もう1着欲しいと思っているくらいです。
DSC03128.JPG今度ウインドウに飾る予定で製作しているのは、ミディアム丈のホワイト。
冬のホワイトケープです。ゆったりと暖かい冬を想像します。
来週あたり、ウインドウに飾れそうです。
ちなみに今日のウインドウはラズベリー色のダブルのコート。
concordiaは、後ろ姿を見ていただきたいのですが、前向きにしか飾れません。
ウインドウですからしかたありません。どうぞ店内に入って見て下さい。
どんな後ろ姿かお楽しみに!

同じようで同じではない店

イデムだけの頃は、普通に注文洋服の店でしたが、ギルドと一緒になることで、
一つの店で洋服と靴のご注文を一緒にご相談頂けるようになり、あれからもうすぐ2年が経ちます。
靴も洋服も同じ店の中でビスポークできる。こんなお店、なかなかないでしょう?ちょっと自慢です。
10月20日で2周年。この機会に新しくイデムとギルドの共通ホームページをオープンします。
服と靴、紳士もご婦人も、イデムとギルドのどちらも一緒に楽しんで頂けるような
ホームページにしたいと思っています。少し先になりますが、ぜひご覧ください。

普通の洋服店ではありえないような環境の中で、靴や、革を日常的に目にし、触れることは、
私の作る服に何か与えてくれるはずです。
それに応えるように、ギルドの靴に恥じない洋服を作っていきたいと思います。
そして、店にいらした方が、また来たいと思って頂けるような店になれたらうれしいものです。

ゆとり

パターンを作りながら、一番悩むのはゆとりをどれくらい入れるか。
ぴったりが好きな方、ゆったりが好きな方、いろいろです。
また、感じ方の違いを考えると、夜も眠れない?!くらいです。
何着か作らせていただいた方なら、だいたい感覚が分かりますが、初めての方は手探り状態です。
しつこく聞いてしまうかもしれませんが、その節はお許しください。
仮縫いしながら、もう少しタイトに、とか、中に着るインナーのことなどお話しください。
ゆとりもデザインの一部です。
薄手のインナーや、ノースリーブしか着ないことを前提にシャープなシルエットにしたり、
たっぷりとゆとりを入れてリラックスした雰囲気を演出したりすることが出来ます。
とは言え、無理にゆとりを少なくしたり、逆に過分なゆとりを入れると着心地に影響がでます。
その兼ね合いを相談する場が仮縫いだとお考えいただくと良いと思います。

ダーツとタック

平面の布を立体へ形作っていく時、
私は、丸みをどのように表現するかをデザインのポイントにしています。
人の身体は全て曲線です。
特に女性の柔らかい丸みは美しく、バスト、ウエスト、ヒップはもちろんのこと、
肩先やネックライン、背中にも女性らしさは現れています。
布を切り替えて、カーブした縫い目同士を縫い合わせたり、
丸みの頂点を縫い止まりとしてダーツをとったり、
または、ダーツを縫わずに畳むだけでタックにしたり、様々です。
DSC00429_2.JPGダーツにしようか、タックにしようか迷う時もあります。
ダーツの場合、丸く表現したい部分の頂点に向かって、
余分な布を縫い込む方法ですので、
ダーツの分量は自然に決まってきます。
タックの場合は、膨らみを持たせたい部分をたっぷり覆うことが出来るので、
身体の丸み以外にも、デザイン的な要素に大きく左右されます。
また、タックの向きは非常に重要です。
布のドレープ(しわ)に大きくかかわるからです。
美しいドレープのためには、タックの向きに注意して
ドレーピング(立体裁断)する必要があります。
今シーズンは春夏も秋冬もタックを多用し、ドレープの美しいデザインを目指して
作っています。

次の季節を考えるゆとり

オーダーの良い所は
次の季節に向けて、今着るものではないからこそ
落ち着いて本当に欲しい物を選べるゆとりが生まれるところではないでしょうか。

自身のワードローブを点検して、足りないもの、増やしたいものは何か。
次の季節の出来事を予想して、または予定の催しに合わせて、じっくり考える。
こういう考え方でオーダーをすると、必要なものはすべて計画的に揃いますから、
それとは別に、お店で目にするデザインや、素材に触発されて、
少しチャレンジしてみようと思う時もあるでしょう。

パンツスタイルが定番の方が、初めてスカートを履きたいとか、
スーツばかりの方がワンピースを着てみたいとか、
新しい装いを演出するお手伝いをさせていただくというのは、
とてもうれしいことですし、光栄なことだと思っています。

最近は冬の旅行に向けて、ワンピースやチュニック、コートのご注文など、
早々と季節を先取りするお客様とアイスエスプレッソを飲みながら
フランネルやカシミアの生地を触っています。

気が早い?それとも気長?

オーダーで洋服を注文すると1.5〜2ヶ月ほどかかります。
今は7月ですから、出来上りは8月末、9月初旬。
要するに、もう秋物ですね。
この暑いのに考えられない、という方もいらっしゃるでしょうが、
慣れてくると、というか、早く夏が終わって欲しいと望むあまり、秋物が欲しくなる。
そういう気になるのは私だけでしょうか?
ジャケット、コート、フランネル、カシミア・・・ブーツ、スエード。
そうそう、DSC03045.JPG靴もブーツを注文するなら今です。
クリスマスに素敵なブーツが出来上がります。

今年のカシミアはうっとりするほど素敵な色。
ホワイトカシミアを鮮やかに染め上げた、ラズベリーのヘリンボーンや、
抹茶色のカシミアフランネル。
生地見本が到着するのは8月になりますが、ぜひご覧下さい。
ウインドウにも出来るだけ早く飾れるように、新しいデザインを製作中です。

名脇役のステッチ

縁取りや、切り替え線にステッチを施すことがよくあります。
飾りの様に見えて、留め縫いの役割を果たすステッチなどは
デザインだけでなく実用性もあって一石二鳥です。

どのステッチもシルエットにはあまり影響しない部分ですが、
小さなこのステッチが、全体の雰囲気を変える事があるのです。

洋服をご注文いただくとき、
デザインを決めて、生地を決めて、採寸もしたし、これで終わりかと思ったら、
裏地、ボタン、そしてステッチ糸を選ぶのに、
DSC02770.JPGまた悩み始めてしまうなんて言うこともあります。
これもまた楽しみだと言って下さる方が多いのは嬉しいことですが、
稀に、裏地を見たら生地を変えたくなった、という方もいて、
あんなに悩んだのに、すんなり別の生地に決まったりするのですから、
たかがステッチとは言っていられなくなります。

ステッチを入れるべきか、外すべきか、よく相談されますが、
ステッチを入れると縫い目が少し固くなりますし、ハリにも影響がありますので、
縫い目を強調したいときや、よりスポーティーに見せたいときにお勧めします。
特に柔らかい素材を選んだときや、しなやかなシルエットを重視する場合は、
ステッチなしがよいかもしれません。

カラフルなステッチ糸は見ているだけでも楽しいものですが、
生地の色にピッタリのステッチ糸や、裏地が揃うと、出来上りが待ち遠しくなります。

作りたい気持ち

洋服を作ることは私の仕事ですが、仕事以外でも作る事が大好きで、
何でも作りたくなってしまう性分です。
職業柄、特に布にかかわるものに興味が向くようです。

刺繍の本はずっと見ていても飽きないくらい。
イデムを始める前に、パリの刺繍学校へ行こうかと本気で考えたりもしたものです。
(弟のことを笑えないくらい、私も大それたことを考えていました。)
今出来ることは、ステッチワークでハンカチを作ったり、
ピローケースとクッションカバーをお揃いで作ったり、
麻の刺繍糸で紐を撚ってキッチンペーパーを壁に掛けたり、
太く撚ってカーテンロープにしたり、楽しいことばかり。時間を見つけてはチクチク。

そんな中からジャケットに施すステッチや、衿を立体的にする細かいステッチが生まれ、
DSC01070.JPG生地の色に合わせて紐を撚って、ウエストや胸に結ぶデザインが生まれます。
手を動かすことで、新しい発想が浮かんでくるのですね。

作る楽しさはどんな所にもあります。
大物でないほうが、忙しい日常の合間にでも完成するので
楽しみを早く実感できるかもしれません。

さらりと羽織って

日差しを遮って、風通しがよいデザインはありますか?と言われたら
必ずお薦めするのは「imitor」という名前のジャケット。

ベスト・トップなどの上に着るものなので、ジャケットという位置づけですが、
前ボタンもなく、袖口も広がって、スタンドカラー。
裏付きのブラウスのような、カーディガンのような着心地。
DSC01790.JPGこの季節の人気デザインとなっています。
アレンジもいろいろ。
お客様のご希望に合わせて、短くしたり、長くしたり。
前にファスナーを付けたものも。ファスナーはririの特注。
こんなこともあろうかと、作っておいたファスナーが役立っています。

ワンピースの上に、ニットの上に、カジュアルだけどエレガントに。
ちょっと欲張りなimitor
夏の日差しも冷房もこれで安心。ぜひお試し下さい。

スカート丈

もともとはロング派の私ですが、最近は少し短めスカートに挑戦。
膝がきれいに隠れる程度の長さ、座ったらちょうど膝が見えるか見えないか。
そして、少し裾に動きのあるデザインが最近のお気に入りです。
足が見えると、歩き方が気になるようになりました。
子供のころ、母によく注意されたことを思い出します。
私はO脚で、膝から下が曲がっているので、まっすぐに立っているつもりでも
ふくらはぎの間が開いてしまいます。
母に言わせると、立つときに足を少し斜めに置いて、少しでもきれいに見せるのだとか。

このところ、通勤中、ショウウインドウに映る自分の姿を見ると、
思わず姿勢を正したりしてしまうのです。DSC03007.JPG
鏡を見るとき、家の中だと、どうしても全身を少し離れて見ることが出来ず、
顔とか、上半身とか、足元だけとか、部分的にしか目がいかないものです。
ましてや、歩く姿など見れませんから、外に出たときにはじめて自分の姿に
気がつくのです。
梅雨の晴れ間、今日のような日差しの中で、
下腹に力を入れて、スッと立ち、肩の力を抜いて颯爽と歩いたら、
さぞかし気持ち良いでしょうね。
そう簡単にはいきそうにありませんが、少しでも、と前向きに考えて歩いています。

洋服と靴

ご存知だと思いますが、一昨年秋からイデムはギルドという靴店と
共に営業しています。
洋服と靴は互いを引き立て合う間柄ではありますが、
なぜ?という疑問を持つ方もいらっしゃると思いますので、少しご説明を・・・

事の始まりは、靴好きの弟。
彼はパリにいる頃から、ファッションの中でもとりわけ靴に興味を持ち、
仕事も靴にかかわることが多く、自他共に認める靴好きです。
DSC02992.JPG私が銀座に開店準備をしている頃は、靴の勉強にイタリアへ、
などと大それたことを考えていたのですが、行き先は量産アパレル系の靴工房。仕事仲間から反対されたところへ、私からの帰国要請FAXが届き、
(その頃はEメールがなかった!)彼は6年あまりのパリ生活を終えて
帰国することになりました。

日本へ帰っても靴熱は冷めることなく、次第にビスポークシューズへと
興味の対象を移していきました。
1997年頃でしょうか、靴を通しての友人からの紹介の紹介というかたちで、
ギルドの展示会へ出かけたようです。これがギルドとイデムの出会いです。
その後はギルドの靴がいかに素晴らしいか熱弁をふるい、お客様をギルドへ
紹介するようになり、ギルドからもイデムへ注文をいただいたり、
そういった交流がはじまりました。
当然ながら私も弟に感化され、ギルドの靴を履くようになりました。
履き心地が良いだけでなく、デザインがイデムの服に自然に合い、
装いとして完成すると感じるのです。

着る人、履く人に身に着けてもらってこそ真価を発揮するような洋服と靴。

こうして、現在は同じ店の中にイデムとギルドが同居していますが、
イデムを始めてからずっと姉弟2人きりだった店に、
ギルドの仲間達が増え、頼もしく、にぎやかに毎日を過ごしています。

年を重ねてもっと素敵になる

たくさんの雑誌が年齢によって読者を分類し、ファッションも年代別に比較されているのを見ると、
少し変な気がします。

年齢とデザインの関係より、その人のキャラクターとデザインの方が大きくかかわっていると思うからです。 P1010004.JPG
このデザインは若い方向きだから・・・と敬遠してしまうのではなく、
私が着るとしたらこんな風に組み合わせて、バランスを変えて、こんな色で・・・などと
イメージが膨らんでいくような、前向きな気持ちで年を重ねていかれたら素敵ですね。
イデムのデザインは年齢を意識したデザインではなく、
着る人の個性がより引き立つような、
気持ちをそっと支えるようなデザインを目指しています。
それが出来ているのかどうか・・・。
何はともあれ、1995年から変わることなく、今日まできたのですから、
これからもイデムらしいと思えるデザインを作っていきたいと思います。

そして、これはオーダーメイドの特権とも言えることですが、
同じデザインを年齢も性格も違う人に作っていくと、1着1着がそれぞれの個性に寄り添い、しっくりと馴染み、素敵な装いに完成するのを間近に見ることができるのです。
必ずしもすべてがうまくいくとは限りません。お客様からのご指摘やご感想をいただくことは本当に大切です。1着ごとに勉強させていただいています。
そういうことの後で、鏡に映ったお客様の笑顔を見ることが出来たときは、本当にうれしいものです。
年を重ねながら、今年も来年も、その先もずっと、その笑顔を見続けることができたら素敵です。

パターンメイキング 2

前回に引き続きパターンメイキングについてのお話しです。

サンプルのパターンができ上がると、生地や付属品と共に縫製職人が製作にとりかかります。
初めて縫うデザインは、縫いながらいろいろと研究していく必要があります。
新しいデザインごとにパターンも縫製も勉強していくのです。
こうして出来上がったサンプルを店頭に並べ、
お客様からご注文いただくところから次のパターンメイキングが始まります。

イデムのデザインは、すべて立体裁断で作られていますが、
お客様一人一人のボディを製作することは残念ながら出来ないので
(オートクチュールは顧客のボディを製作し、そのボディの上にドレーピングをしているのです)
パターンをお客様のサイズに合わせていく工程は平面のパターンで行います。
ほとんどの方が、一定のバランスで大きかったり小さかったりではなく、部分的に大きいところと
小さいところが混在しているものですから、 DSC02614.JPG
一定の法則でグレーディングするということがあり得ません。
また、デザインによっても展開の仕方がいろいろとあります。
肩の向き、腰の形、バストの位置など採寸で得た数値を最大限活かしてパターンを作っていきます。
そして、仮縫いのパターンは、サイズだけでなく、デザインも含めて変更していきます。
基本のデザインを決めた後、お客様のご要望で変更が加わることも少なくありません。
そんなときは、仮縫いの段階で確認できるようにパターンを作ります。
デザイン変更を先にするべきか、サイズ変更を先にするべきか、悩むところですが、
標準サイズの方がデザインを見やすいので、デザイン変更を先にするほうが多いですね。
こうしてでき上がったパターンは、仮縫い専用のウール生地で仮縫いに組み立てられます。

お客様の前にはでき上がった仮縫いのみが出されるわけですが、
その前の見えないところが私の重要な仕事です。
今日もパターンメイキングの合間にこのコラムを書いています。

パターンメイキング 1

洋服を作る者にとっては身近なことですが、専門的な話になってしまうので、
面白くないかもしれません。
ご勘弁下さい。

大きくわけて2つの工程があります。今回はその一つを説明しましょう。

デザインを洋服に組み立てていくためのパターンメイキングです。新しいデザインを作る時に
必ず必要になります。
まず、トルソー(ボディ)にトワルという布をピンと鋏を使ってデザインにあわせて立体にします。
左右対称なデザインであれば右半分、左右のデザインが異なる場合は全身を組み立てます。
イデムの場合は、2分の1サイズのトルソーで、この1stトワルを組みます。 DSC02610.JPG
デザインを決める大切な工程なので、
全体のバランスを見ながら形にしていきます。
納得のいく形に仕上がったら、印をつけて解体します。
平らにして、2分の1から1へ拡大して、
地の目や、イセ込み分量、縫い目のライン取りなど、
修正を加えてラフな型紙にします。
(後でさらに修正するのでラフでいいのです)
そして今度は、実際のサイズでもう一度トワルを組みます。2ndトワルです。
ラフでも型紙から写したラインがありますから、それを見ながら更に整えていきます。
ここでもピンと鋏を使って、トルソーにデザインを組み立てていきます。
対外のデザインであれば2ndトワルで仕上がりますが、
稀に3ndトワルまで組み立てることもあります。
どこで納得がいくか、ということなのですが、時間をかけたから良いものができるとは限らず、
以外とすんなりできたものが、皆さんに喜ばれたりするものです。

何はともあれ、納得のいくパターンメイキングができたら、
ラフの型紙を更に修正して、縫うための細かい指示を記入して、
やっと店頭に並ぶサンプルのパターンメーキングが完了します。

採寸は自然に

オーダーメイドの最初のステップは採寸です。
イデムでは全身で45ヶ所ほどの採寸を15〜20分程度で測ります。
MAP-O&C6nov06.jpgリラックスして自然な姿勢で、とお願いするのですが、
意識すると難しいようですね。
採寸するときというのは、大抵の場合、
私とは初対面で、イデムに来るのも初めて、オーダーするのが初めて
という方も多、お互い緊張してしまいがちです。(私も緊張します)
デザインや生地を決めたり、試着したりする間に、
だんだんとイデムに親しみが持てたところで採寸に移ります。
下着になる必要はありませんが、
ご注文の服を着るときにつける下着と同じものを着用した状態で、
薄手のシャツやTシャツなど、肩パットのついていない、
できれば衿のないものが望ましいです。
スカートやパンツも薄手で飾りのないものの方が良く、
ベルトなど外せるものは外していただくことがあります。
採寸でわかることは、身体の各部分の寸法と、向き、位置などです。
同じところをいろいろな方向から測っていきます。
採寸法は、イデム独自の方法です。イデムが誕生して13年。
その間にどんどん進化して、今に至っています。
この情報を基にパターンを製作する段階へ移ります。
パターンの製作は洋服にとって、縫製と共に最も重要な部分ですが、
お客様の目に触れることがありません。
この続きは次回・・・パターンメイキング・・・にて

夏のウール

夏に近づいてくるとウールのジャケットを脱いで、コットンや麻などが着たくなってきますね。
春夏物の生地見本帳をめくってみると、コットンや麻の鮮やかな色が目に付きます。
そんな中に、ひっそりと夏物ウールが顔を出しています。ウールって冬物でしょ?
そう思いますか?私は1年を通してウールを着ます。夏も。
ひとくちにウールといっても、本当にさまざまな種類があり、
その多様性の素晴らしさに感激してしまうほどです。
冬に、私たちの身体を暖かく、ふんわりと包んでくれたかと思うと、汗ばんでくる季節には、
汗を吸収し、そして外へ発散させ、いつも肌をさらさらに保ってくれる。
そんなスーパー素材がウールです。良く考えたら、羊や山羊はウールに包まれたまま、
夏も冬も暮らしているのですから、体温調整に最適な素材に決まっていますね。
特に、夏のウールは、麻やコットンに負けないくらい涼しく、汗をかいた後、
冷房の効いた室内に入っても、吸い込んだ汗はすぐに乾くので、身体を冷やすことなく、
冷たい風から守ってくれます。
夏はただでさえ、肌の露出も多くなりますので、冷房には要注意ですね。
夏用につくられたウールは細い番手の糸を使い、
さらさらと腕からこぼれ落ちるような手触りが特に素晴らしいものです。
少し麻やコットンが混じって夏らしい風合いを出したもの、
シルクが混ざって真珠のような艶が美しいもの、
それぞれの違いをぜひお楽しみください。

スプリングコート

日中汗ばむような陽気になったかと思うと、夕方になってぐっと冷え込む。そんな日が多いのが春ですね。
薄くて軽くて暖かいスプリングコート。そのすべてを満足させてくれるのは、やはりウール。
(麻やコットンにウールが混紡のものも素材感があって◎)
気温の変化に合わせて、着たり脱いだりを繰り返すことがおおいので、手に持っても軽く、
しわになりにくい。その上、通気性が良く、熱を外に逃がして保温してくれるのですから、
これ以上のものはありません。
生地はコート用というわけではなく、むしろスーツ用の薄手の生地の方が、
スプリングコートには向いているようです。
裾が春風を受けてしなやかに動く様は、実にエレガントな気分にさせてくれます。
P1000468.JPG私の愛用のスプリングコートは明るいベージュのロングコート。
取り外しのライナーに薄手のカシミアを用意したので、早春から初夏までと初秋にも活躍しています。
あまりにも使用頻度が高いので、今年は新たに薄いオレンジのスプリングコートをつくりました。
気に入るとそればかり着てしまうのですが、少しは休ませてあげないとコートがかわいそうですよね。
今日も夕方になって雨。寒くなってきました。スプリングコートを羽織って帰ります。




vesta


トワル製作中のベスト・トップですが、2回目の組み立て後、まだ進んでいません。すみません。
早々とHPにピン打ちの写真が載っているのに、なかなかサンプルが登場しないので、どうしたのかな、と思っている方。もうしばらくお時間下さい。DSC03424.JPG
作りながら悩みが増えていくデザインもあるのです。
実際に着たとき、動いたときに備えて、あれこれ考えさせるデザインです。その分作りがいもあると言えるのですが・・・
身体から離れている分、どこに生地が流れるか、動いたときも形をきれいに保つことができるか。あれこれと悩みは尽きません。
通常の身体にフィットさせるデザインとは、アプローチがちがうため少々手間取っています。
どんな風に仕上がるのか、私も楽しみです。

「ベスト・トップ」

最近、雑誌の連載ページで何度か取材を受けるうちに、思い当たることがありました。
その連載は、アイテムごとに通常の既製品(プレタポルテ)を選ぶ時、どんなことに注意したらよいか、オーダーメイドを手がける立場から意見を言わせていただいているのです。
どのアイテムにしても、最善を言えば、オーダーメイドになってしまうのがつらいところですが、服選びの手助けに少しでも役立てればうれしいと思っています。V-ODOR@IC.jpg
そのアイテムの中に、イデムでは定番となっている「ベスト・トップ」というものが無いのです。さらに、ベスト・トップに相当するような別のアイテムも存在しないのです。ブラウスでも、ベストでも、ビュスティエでもない。
と言うことは、イデムのベスト・トップを注文したことのある人以外は誰も知らない、誰も着たことのないアイテムだったのですね。
私は、ほとんど毎日、何かしらベスト・トップの1枚を着ていることが多く、今日もベスト・トップとスカートの組み合わせ。同じ生地で作ると、ワンピースのように見えますが、組み合わせ自由で、着回しのきくところが、私の必須アイテム。
スーツのインナーであったり、ドレスのトップであったり、ワンピース風に、あるいはパンツを合わせてカジュアルにと、大活躍です。
ですので、ベスト・トップはたくさんデザインしています。袖のあるもの、ノースリーブ、フレンチスリーブ。もっともっとデザインしたくなってきます。
ぜひ、デザインのページを覗いてみてください。
ちなみに、今日の私は今年の新作 velum & separoです。

"Super 160's"

Loro Pianaの生地見本帳の中で、
素晴らしい光沢としなやかさを
羊毛のみで実現している
「スーパー160's」DSC00685.JPG
その源は生地シールに記された
「15.5ミクロン」という
選りすぐった非常に細い毛の
繊維で織り上げられた
生地だからです。

また'07年にリニューアルした「スーパー160's」の生地見本帳には、今までnavy系とgray系のみだったものに加えてbrown系の色柄も含まれました。